自由という名の特効薬

アラサーオタクのうつ病回復雑記。

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一人交換日記

感想を書こう書こうと思いつつなかなか書けなかったのだが、散文でもいいから書いてみようと思い綴ってみることにする。

一人交換日記 (ビッグコミックススペシャル)

一人交換日記 (ビッグコミックススペシャル)

 
一人交換日記 2 (ビッグコミックススペシャル)

一人交換日記 2 (ビッグコミックススペシャル)

 

『寂しすぎてレズ風俗に行きましたレポ』の永田カビさんの著書だ。

レズ風俗に行ってからその後の後日談のような作品。

レズ風俗レポから通して読んでみると、カビさんの家庭というのはいわゆる機能不全家庭というやつなのかな、と思った。

だって良い家庭で育てられたのなら、気づいたらうつと摂食障害になっていた、なんてことはないと思うのだ。レズ風俗レポを読んだ限り、肯定感というものが無いように見えた。自分なりに頑張ったのに、それを認めてもらえない、褒めてもらえない。悲しくて、虚しいことだ。

そのレズ風俗レポの漫画が出て、カビさんは家族の反応に苦しめられることになる。

漫画家として、「本が出せた」ということはめでたいことなのだが、カビさんの親の反応は芳しくなかった。またも褒めてもらえない。

カビさんは"自分のものさし"、自己肯定感がないことに気づく。自分で自分がどの程度かわからないから、人に褒められたりすることで自分をはかろうとする。でもそれって、自分で自分を認めてあげられないということだ。私もうつになってからわかったが、自己肯定感というやつは本当に大事だ。自分で自分を大切にするために、必要なものなのだ。

 

カビさんはひどく寂しがりやである。寂しすぎて寒くてしょうがなくなるくらい、寂しさに敏感だ。

でもこれって正常なことだよな、と思う。

カビさんの場合自分のものさしがない分人と関わらなければならない。人一倍人との関わりが必要なはずだ。

家族や友達との関わりが描かれているが、やはり人と関わるのは難しい。

特にカビさんの家族関係は、単純なようで酷く複雑なように見える。

一人暮らしを始めたりして家族との距離を計る。最初はそれで良かった。でも疲れきったとき、とても実家が恋しくなっていた。家族が毒なように見えて、それでも実は必要な関係なのだ。

正直私も読んでいてカビさんの家族は不思議だった。優しいのか冷たいのかわからない。離れていた方がいいのか一緒にいた方がいいのかわからない。本当、難しい問題だと思う。

 

ただ一人交換日記と一人交換日記2での大きな進歩は、「愛は誰と誰の間にも無かった」と描かれていたのが、2では家族との距離感を模索し、また友達と関わることによって「私はもう一人じゃないんだ」と描かれていたことだ。そこに気づけたのは大きいと思う。

 

作中では過度な飲酒、自傷、ODする姿がさらりと描かれている。うつが完全に寛解した、という作品ではない。

でも少しずつカビさんは進んでいる。苦しみながらも、それでも断酒に成功したり不安が小さくなったりと、良い方向へと向かっている。

うつは劇的に良くなるものじゃない。苦しみながら少しずつ良くなるものだということが描かれた本だった。

こういう本をもっと読みたい。そう思う。

 

願わくばカビさんの人生がより良い方向へいきますように。