自由という名の特効薬

アラサーオタクのうつ病回復雑記。

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それでいい。

書店の心理学やうつ関連の本棚の前をぶらぶら歩いていて、ふと目に留まったのがこの本、『それでいい。』である。なんか見たことある絵だな?と思ったら、『ツレがうつになりまして。』の著者細川貂々さんだった。

冒頭から「私は最悪ネガティブ思考クイーンなんです!」とでかでかと自画像で宣言されていて驚いた。私は『ツレがうつになりまして。』は読んだことがないのだが、まさかツレがうつになったのを支えている人がネガティブ思考クイーンだとは思ってもみなかったからだ。 

この本は細川貂々さんの漫画と精神科医水島広子先生の2~3ページほどのコラムが交互に入っていて、読みやすい。

別にうつの人向けという本ではないが、うつの方には是非読んでいただきたいと思える内容である。

 

対人関係療法

この精神科医水島広子先生は、対人関係療法という精神療法を専門とした先生である。

対人関係療法とは、「対人関係から受けるストレスを減じ、対人関係から得る力を増す」という解決の方向性を持った、人間の普遍的な部分に働きかける、国際的にも高い評価を受けているちゃんとした治療法だそうだ。

その「普遍的な部分」とは、人間は身近な人間関係によって大きな影響を受けているということです、自分がどんな人間であるかという感覚は、身近な人間関係の中で養われます。人間関係がうまくいっていると自己肯定感が高まりますし、人間関係に行きづまると自分はだめな人間だと思うものです。

 

対人関係療法のキーワードは2つ

「感情を大切にする」

「それって人間として当たり前だよね」

熱いものに触れたら思わず手を引っ込める脊髄反射のように、嫌な事を言われたら落ち込んだり怒ったりする、嬉しい事を言われたら喜ぶという反応をするのは当たり前のこと。 こういった当たり前のことを受け入れていくところから、対人関係療法ははじまる。

 

人間の変化は現状の肯定から

私がまさしくそうだった。現状を肯定した時から、みるみる変化していったのだ。

ネガティブをやめてポジティブになりましょう、と言ってもなかなかできるものではない。そんなあっさりできるようなものなら、誰でもそうしているだろう。

もちろん、これからいろいろと変化したり成長したり癒されたりすることは可能です。でも現時点では、今までの事情を振り返れば、「今は、これでよい(これが当然)」というのが最も正しい結論です。

「今までこうして生きていたんだから、自分がこうなったのはしょうがない」と思うこと。これが大事なのである。

「今まで頑張って頑張り過ぎてうつになってしまったのだろうから、これでいい」

「自己否定してしまっても今はうつなんだからこれでいい」

「自信がなくても今はうつなんだからこれでいい」

”今は”というのがキーである。あくまでも”今は”うつだからこうなってしまっているのであって、しょうがないことなのだ。

「今は、これでよい」というのは、怠け心につながると思うでしょうか? しかし、人間の変化は、現状の肯定からしかあり得ないのです。今の自分を否定し続けていると、地に足の着いた変化など起こせないのです。

 まずは今の自分を認めること。自分が変わっていくのは、まずはそれからなのだ。

 

怒りを感じることは健康

個人的にドキッとしたのは「第1章悩み編 悩み4・期待に応えられない自分を”ダメ人間”と思ってしまいます!」の節。人に何か責められるようなことを言われたとき、「やっぱり自分はダメ人間なんだ……」と思ってしまうのだが、「実は相手にそう言われた時怒りを感じてくれると健康」なんだそうだ。

抑制されて育ってきてると怒ることができない人が多いです

貂々さんもその性質で、どうも人に言われたことを吸収してしまう性質だから、怒りがわかない、のだそうだ。

怒りを感じたということは相手が自分に対して不適切なことを要求してきたんだなというシグナルです

そういう怒りは「健康で自分の変化につながる怒り」

怒れるってことは健康なんです

怒鳴ったり暴力を振るったりということではなく、怒りという感情を感じることが大切。できそうもないことを言われたら、落ち込む前に怒っていい。今後は気を付けてみたい。

 

この本はオススメできるか

冒頭で書いているが、オススメしたい。

うつなどの精神疾患になっている人は、そのままの自分を受け入れるということがなかなかできていない状態に陥っていると思う。 

それは、あなたがうつだからだ。普段のあなたじゃないからだ。 

だから、それは今だけ。今はこういう状態だと受け入れると、そこからまた歩き出せる。

なかなか難しいことだと思うが、実際私は受け入れることで変化を感じられるようになった。全員が全員あてはまるわけではないかもしれない。しかし、チラっとやってみてはいかがだろうか。