自由という名の特効薬

アラサーオタクのうつ病回復雑記。

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うつからの脱出

今日紹介するのはこちらの本。自衛官で、自衛隊でカウセリングを行ってきた下園壮太さんという方がうつについて書かれた本だ。

うつからの脱出

うつからの脱出

 

 以前ホンマでっか?!TVに出演されているのをたまたま拝見し、気になったので購入してみた。

敵を知り己を知れば百戦危うからず、とのことでうつ状態についての解説から、プチ認知療法といううつからの回復を図る方法とそのやり方について詳しく書かれている。

 

うつ状態とは<感情のプログラム>が一斉発動した状態

この解説は個人的に非常にわかりやすかった。

うつとは、簡単に言って”常に戦闘態勢を維持し続け疲労してしまった状態”のことだという。人間が原始人だったころ、外敵に襲われないよう気を張っていた、防衛状態がずっと続いてしまっている状態なのだ。外敵に襲われないよう常に細心の注意を払い、寝込みを襲われないよう眠らず、どこかに身を隠し怯えて泣いている。それがうつだ。

この説明がしっくりきたのは、不眠という症状は外敵から身を守るためという説明がなされていたことである。今でも睡眠薬がないと眠れないのだが、私の体は未だ外敵から身を守ろうと防衛本能が働いてしまっているのだ。本能ならば仕方ない。

また、感情のプログラムが一斉発動しているせいで、自分がこういった反応をしているかわからないのである。このせいで特に何かあったわけでもないのに涙が出たり、元気がないのに何かをしようとするも何もできないといったことが起こる。まさに少し前の私だ。

 

うつからの回復

  1. 落ち込み期 疲労が知らない間に蓄積していく。疲労が極限(疲労しきった状態)に達するまで。
  2. 底期 疲労しきった状態。活動ができない。ひどいときは寝たきり状態になる。
  3. 回復期 休養、薬のおかげで、徐々にエネルギーが回復する時期。少しずつ動けるようになる。
  4. リハビリ期 ひどいエネルギー低下状態は脱したものの、完全とは言えない状態がかなり長く続く。

(中略)

回復期以降は、通常三~四日、あるいは一週間単位の波を重ねて少しずつ回復していく。

回復期以降についての記述がまさに今の私である。こうして説明してもらえると、実際わかりやすくて助かる。

リハビリ期は、まさに良くなったり悪くなったりの波を乗り越えながら少しずつ回復していく時期で、三歩進んで二歩下がるようなもどかしい時期だ。なまじ外見はすっかり良くなっているように見えるため、人からは「良くなったんだね」と言われることが多い。しかし本人は、外見とのギャップに悩んでいる、まだ全力を出せない自分をもどかしく思っているのである。

 

トレーニングはリハビリ期に入ってから

本書で紹介されているトレーニング法、プチ認知療法はリハビリ期に入ってからやることが推奨されている。回復期にもやりたい思いはあるだろうが、回復期はまだ休養と薬が大事な時期である。

この時期にトレーニングを行うのは、肩を壊した野球選手が、故障が回復しないうちに投球練習を始めるようなものだ。すぐにまたつぶれてしまう。

リハビリ期に入り、波の状態を見ながら、エネルギーの高い時期にトレーニングをする。

また、トレーニングは誰かと一緒にやると良い、と書かれている。トレーニングはバランスが重要で、客観的に見てくれる人がいた方が良いのだ。それに、うつからの回復は長期戦となる。一緒に続けてくれる仲間がいてくれた方が根気強く続けられる。

 

トレーニングの特性

<新しい思考や感じ方を覚えるための”場”>としてのトレーニング

<回数をこなす>トレーニング

考えるより<感じる>トレーニング

<行動に移す>ことをねらいとしているトレーニング

”バランス”つまり<適当>を覚えるトレーニング

認知療法とは、物の見方や考え方を変えていくトレーニングだが、生まれてこのかたずっと続けてきた方法をアッサリと変えられるはずがない。地道に回数をこなし慣れていくために、このような特性を持ったトレーニングを行っていくことが紹介されている。

 

プチ認知療法

本書にはプチ認知療法とされるトレーニングが15個紹介されている。全部は紹介しきれないので、私が気に入っているものを2つ紹介させていただく。

 

フォーカシング

その名の通り、自分の感じている感情にフォーカスするトレーニングである。自分の感じている嫌な感じや引っかかりに対して、まず「ありがとう」と言う。そして、それはどこにあるのか、どんな形か、どんな色かなど、それを具体的に表現していく。その感じをじっくり味わって、その思いと共にしばらくボーっとしてみる。これだけである。

意識してみるだけで結構変わった感じがする、不思議なトレーニングだ。

 

自分取扱説明書

うつから回復したとして、再び再発しないようにするために、”より良い生き方を見つける”ために行うトレーニングだ。その名の通り、自分の取扱説明書を作るのである。

自分がなぜうつになってしまったかその原因や兆候などを振り返り、書き記していく。体調や行動の変化など、なるべく細かに思い出してそれを書き留める。そうして自分がどのような状況に弱いかを把握していく作業だ。

 

この本はオススメできるか

うつを治そうと焦ってしまう人にはオススメしたい。

この本に書かれていることだがうつをすぐに治す”魔法”などない。

地道に頑張っていくしかないのだ。

本書はそういった方々へ向けて書かれている面もある。

そうでない人も、プチ認知療法はどれも簡単なもので気が向いたときにふっとやってみるだけでも効果があるので、気になった方はぜひ購入してみてほしい。